季節のことば 2009年11月 

最も長い夜の時に向かうと共に、
新たな年へとつなぐ要素達が、地上を賑わす時。
縦に長いこの国を見渡したなら、
様々な姿がそこにあります。

大地を飾る豊かな色々。
天と地の間で吹く音。
冷えた雨から生まれた純白。
空を渡り行く翼。
時おり、暖かな日もやって来て。

収縮と眠りに向かう時期、
たとえ外側の動きの世界では、賑やかさがあったとしても。

透明に澄み渡った静けさの中だからこそ、
私達は、中心の彼方との繋がりを感じます。

動きによって決して触れられる事のない、沈黙、静止、空っぽさ。
 “そこ”に入った時、私達は、不思議と
家に還って来た懐かしい感覚になります。

静けさの中で、独り沈黙する時間を持ちましょう。
瞬間瞬間の動きも、色も、形も、
 “そこ”に近いところから誕生するのです。

パビットラ(中沢あつ子)

公開日:2009年11月1日 更新日:2022年5月30日 | カテゴリー :