キリ
キリというと、お花よりは、皇室の紋章や武家の家紋、あるいは高級家具をイメージする方が多いでしょうか。
紋章や家紋、家具は知っているけれど実際の花は知らない、という人もおられるかもしれませんね。
そんなキリのお花は、一度出会ったら忘れる事はあまりなさそうな、目立つ姿と香の持ち主です。
唇形に裂けた大きな紫色の花が、枝先にゴージャスに咲いている姿。
そして、濃厚で強い香。
夏に柔らかな毛に包まれた褐色のツボミをつけ、冬を越し、翌年の春に長さ5~6センチの花を咲かせるキリ。
開花の10カ月前くらいにツボミをつける事は、フラワーエッセンスを生成させて頂いてからかなり後に知ったのですが、十月十日(トツキトオカ)の妊娠期間がイメージされ、この花のエネルギーに通じるようにも感じました。
ちなみに、同じく春に開花するサクラ類も、前の年から花芽をつけます。
キリという名前は、切ってもすぐに新芽を出して生長することから。
きる(切る、伐る)が、その名前の由来なのだとか。
丈夫で、防湿効果があり、虫がつきにくく、何と着火温度は400度以上、火事になっても中の着物が焼けないと言われる桐箪笥。
成長が早いキリは、かつては女の子が生まれたら苗木を庭に植え、箪笥を作って嫁ぎ先に持たせる風習があったそうです。
今の時代、桐箪笥はあまり見かけなくなってしまいましたが、高価なものは、桐箱に入れて売られていたりします。
これらの事は、大切なものを護り育むというキリのエネルギーが、様々に表現されているように感じます。
長さ3センチ程の尖った卵形の実の中に宿る、翼をつけた数千もの小さな種からも、それを感じます。
キリの花言葉は、高尚。
神聖な木としても知られていて、中国では、霊鳥の鳳凰はキリの木にだけに止まる、と伝えられているのだそうです。
通常、キリの花は、その高貴なイメージ通り、簡単には人の手が届かない高い枝先に咲くのですが、フラワーエッセンスを頂いたキリは斜面に根付いており、香と共にゴージャスな姿を目の前に現して、その存在をアピールしてくれました。
あたかも、人の目線に合わせてくれたかのように。
キリのキーワードは、《絆》。
家族という濃密な関係の中でも、とりわけ母と子の絆に関わるボトルでもあります。
この地上に生きる全ての人は、お母さんの子宮の中で育まれた命です。
母と子の繋がりは、父親のそれとは異なる、独特な質があるように思います。
愛情や温かさと共に、肉体に近い次元の、濃密に絡まる粘着性のエネルギーを感じる人もいるかもしれません。
その感覚は、微細エネルギー解剖学の視点から見るなら、エーテル体とリンクしているでしょうか。
エーテル体は、言わば肉体に命を吹き込む、肉体に最も近い次元のエネルギーボディー(サトルボディー)。
今世での愛情のやりとり、感情、感受性、共感性、肉体感覚を司ります。
この次元を好む人もいれば苦手な人もいるのは、世界共通でしょうか。
年齢によっても、変化するかもしれませんね。
思考活動のない深い安らぎや静けさも、エーテル体の質。
母と子の一体感、触れ合いくつろぐ恋人達には、そういった質が関連していると言えるでしょう。
キリは、親子や母子関係だけでなく、濃密な愛情関係、肉体的接触を伴った親密さに作用してくれるフラワーエッセンス。
相手との距離や境界線の取り方、保護と自立のバランス、過去の体験からの手放せない感情に働きかけたい時にいいでしょう。
親密さを利用したり、親密さを求めるがゆえに転々と恋愛相手を変えていく傾向にも。
そんなキリの作用を受け取りながらも、世界が大きく変動している今の時代だからこそ、自分自身との愛情関係も意識しつつ使ってみませんか。
それは、産道を通ってこの世界に誕生した分身としての自分を、聖なる母としての自分が、慈しみ、護り、大切に育て、世界へと分かち合っていく感じでしょうか。
聖なる母と子の、内側での和解。
命や肉体を持ってここにいる聖なる子、つまりは、自分自身のトータルな受け入れ。
そのままをまるごと包み込む母のようなエネルギーのキリは、思いや活動の背後にある、この世界に存在する事への相反する感情がある時にいいでしょう。
それは、護り育ててほしいといった赤子のような原初的な感情、そして、個という現象が生じた母なる源に溶け去りたいといった感情です。
愛情を通しての100%安全で安心な生き延びと、それを手放して源に還る事で得られる永遠性。
一見、相反するこれらの感情ですが、その根っこには、意外と同じものがあるかもしれません。
存在する事としない事のこの対極を深く観察するなら、次元が異なってはいても、どちらにも、ある種、全面的に可能性を生きたい事や、真に存在したい事への渇求があるでしょうか。
源から切り離された感覚とも関連するこの根源的な燻りは、私達が、この地上で、より微細な次元へと上昇していくための種火ともなるものです。
キリは、この種火を燃え上がらせ、対立や距離のない、源の大きさで個を生きる次元へと誘ってくれます。
言葉では表現しにくいこの領域について、何となくでも引っかかりを感じるなら、キリと共に、このテーマを扱うタイミングなのかもしれません。
また、キリは、否定的な言動、嫉妬をはじめ、感情を基盤とする人間関係を終わらせて、理想とする世界へと自分自身を拡大したい、といった強い思いのある人にも役立ちます。
現実的な領域において、ビジネスや豊かさのステージを上げたいと願う人にも有効です。
次元上昇をはじめ、いわゆるスピリチュアルな世界への構えや欲求ゆえに、力が入りすぎたり、時には悪徳商法的なものに引っ張られてしまう傾向にもいいでしょう。
キリのサポートで自身との絆を深めていった時、理想や願いや上昇は、どんな風景を現し出してくれるでしょうか。
キリは、飲むと同時に、オーラフィールド、お部屋等の属する空間に噴霧するのもお勧めです。
30mLのスプレーボトルに対してなら2滴以上、通常より濃い目にすると、エーテル体に働きかけやすくなります。
噴霧した後は、オーラフィールドや周囲の空間を感じながら、少しの間、穏やかな深い呼吸を続けてみましょう。
パビットラ(中沢あつ子)
関連情報
- キリの詳細とご購入は、オンラインショップをご覧下さい。
- キリ、微細エネルギー解剖学についての詳細な情報は、書籍「マウントフジフラワーエッセンスとエネルギーの世界―花の”Being”―」をご覧下さい。
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