花のエネルギーとは

書籍「マウントフジフラワーエッセンスとエネルギーの世界―花の”Being”―」より

花のエネルギーとは?

ちょっと想像してみましょう。
例えば、真っ赤なバラを見て、触れて、嗅いで、花弁にキスしているあなたを……。
次に、純白のキクをイメージしてみましょう。その色、その香、手触りを感じましょう。
どうでしょうか、真っ赤なバラと純白のキクから受け取るものは、同じでしょうか。
それぞれの花から受け取ったこれらの印象、雰囲気もまた、あなたが花のエネルギーを感じているという証なのです。

私達は、愛の告白の時に赤いバラを贈り、お葬式の時には白いキクを飾ります。
これが、もし、愛の告白の時に白いキク、お葬式に赤いバラだったとしたら……。
古より習慣や文化となって根付いているものの中には、現在は、その深い意味や真実が隠れてしまっていたとしても、実は、私達の先祖の高い感受性や智恵に基づいている事が多いものです。


長い歴史の中での扱われ方、そして神話の中に、その智恵は溢れています。
例えば、サクラの女神コノハナサクヤヒメの美しさ、はかなさや潔さは、日本のサクラが持つエネルギーの特質を表現しています。
また、ハスの花は、古くから、様々な国で宗教的な象徴となり、宗教的な儀式で使用されています。
仏教では、紅色の蓮華が泥水の中に根付き、水面に美しい花を咲かせる様を、世間に居ながらも清らかさを失わない菩薩の姿にたとえ、釈迦の教えである「無我行」の象徴としました。

花の名前にも、その智恵は溢れています。
ヒマワリ、アサガオ、ツキミソウ……。
名前そのものが、その花のエネルギーの特質、資質、原理を、ズバリ表現してくれている例ではないでしょうか。
例えば、英語でサンフラワーと呼ばれるヒマワリは、太陽に似た姿をし、ツボミの時には太陽のほうを向き、開花後は太陽が昇る東を向いて、太陽のエネルギーと仲良しです。
そして、太陽は、男性エネルギー、能動的で突き進む特質と関わっています。
ヒマワリのフラワーエッセンスは、男らしさのバランスをとってくれます。
より霊的なレベルで見ていくと、太陽に従っている姿から、大いなるものへの明け渡し、恩寵を受け取る事とも関わってくるかもしれません。
また、朝に元気いっぱいに花開くアサガオを見ると、今日1日、がんばろうという気持ちになりませんか。
アサガオのフラワーエッセンスは、動き出す元気を与えてくれます。


また、19世紀に流行した花言葉にも、花のエネルギーを的確に表現したものが少なくありません。
デイジーの無邪気、ナノハナの快活、ジニアの幸福……。
昔の人々は、花束を贈る時に花言葉を文章にし、そこに想いを託したのです。

花の形状、咲き方、咲く季節、咲く環境等も、そのエネルギーを反映しています。
マウントフジフラワーエッセンスの中から例を挙げると、地を縛るように大地にしっかりと根付いたジシバリは、名前も咲き方も、グラウンディング(地に足をしっかりと付ける事)を表現しています。


そして、様々な花が持つエネルギーの特質……力、充満、スペース、拡張、沈黙、元気、慰め、優しさ、シンプルさ、華やかさ、謙虚さ、強さ、しっとり感、のんびり感、ユーモア、男性的な感じ、女性的な感じ……、
これらの特質は、私達にも内在しているものではないでしょうか。
花の内なる宇宙と私達の内なる宇宙は、対応し合っているのです。
だからこそ、共鳴作用で、彼等のエネルギーが私達を癒すのです。

マウントフジフラワーエッセンス開発者が思う事

以下は、90年代より開催している「バッチフラワーエッセンス基礎講座」でお伝えしてきた事、今は「フラワーエッセンス基礎講座(パート1)」でお伝えしている事です。
書籍「マウントフジフラワーエッセンスとエネルギーの世界―花の”Being”―」にも書いたのですが、「花のエネルギー」という、言語や物理を超えたものを理解する事は、難しい哲学者になって考え込んだり、知識によってなされるようなものではなく、子供のような無邪気さやシンプルさによって、直に体験出来るものではないかと思います。

~ある執筆より抜粋、編集~
花の存在によって、私達には、様々な変化がもたらされます。
例えば、花壇のヒマワリを見て元気になったり、野に咲くユリから気高さや尊さを感じたり、ピンクのバラの花束を抱いて優しい気持ちになったり。
この世界に存在する花達は、その花独自のエッセンシャルな質、本質的な特質を持っていて、それを私達は感じ取るのですね。
花のエッセンシャルな質をこの世界の言葉で置き換えると、例えば、元気、力、高潔、純粋、思いやり、優しさ・・・。
私達の誰もが惹かれ、人生の中で必要だと思う時のある、普遍的な質です。

花のエッセンシャルな質は、花と出会った時に起こる自分の体感覚、感情、思考の変化等を通して、シンプルに体験する事が出来ます。

花そのものや物理成分(生花、花弁、抽出液等)ではなく、花の存在全体の背後にあるエッセンシャルな質を液体にインプットしたもの、それがフラワーエッセンスです。
それは、「花のエネルギー」とも呼ばれます。

特定の花が、私達に特定の変化をもたらしてくれるように、フラワーエッセンスにインプットされた花のエッセンシャルな質、本質的な特質は、私達に元々内在する同じ本質に共鳴し、目覚めさせてくれます。
花の本質の普遍性(例えば、元気、力、高潔、純粋、思いやり、優しさといったエッセンシャルな質)が、私達の内なる普遍性を、呼び覚ますのですね。

そして、喚起された普遍的な質が、この世界で、個人を通して、そのユニークさと共に表現される事、形作られる事、分かち合われる事をサポートしてくれるのです。

パビットラ(中沢あつ子)

(*)書籍「マウントフジフラワーエッセンスとエネルギーの世界―花の”Being”―」
マウントフジフラワーエッセンス開発者の著書。
約500ページあり、マウントフジフラワーエッセンスやエネルギーについての詳細な情報が書かれています。
詳しい説明は、 をご覧下さい。

花の意識の水滴…フラワーエッセンス

花の癒しとフラワーエッセンス

植物の可能性が最大限に高まり、天とつながった状態である花。
人は、そんな花に無条件に心惹かれます。花に特別な興味のない人でも、花を見て心が和んだり、美しいと思った経験はあるのではないでしょうか。

花を使った癒しは、太古から、大小様々な方法で世界中で行われてきました。
国や時代を超えて、私達は人生のあらゆる場面で、花の癒しを受け取っています。

例えば、墓前に花を飾って祈る行為は、死者だけでなく、残された人をも慰めてくれます。
病気の時に贈られた花からは、元気や安らぎを頂きます。
お祝いや宗教的な儀式、人生の節目の時には、愛、慈悲、勇気といった、私達が本来携えているエッセンシャルな質を喚起してくれます。
私達は、花が心の苦しみや問題を癒すだけでなく、エッセンシャルな質とつなげてくれる普遍的な存在だという事を、深いところで知っているのです。
花が世界に存在する限り、花の癒しが絶える事はないでしょう。

数ある花の癒しの中でもフラワーエッセンスがユニークなのは、見たり、香をかいだり、飾ったり、育てたりといった五感を刺激する方法ではなく、人間の微細なレベル、エネルギーボディー(サトルボディー)に直接働きかけるという点でしょう。
フラワーエッセンスは、花のエネルギー(*)、生命力を純粋な水に転写した「飲む花の意識の水滴」であり、色、香、味等の物理成分によって変化を促すのではありません。しかし、物質レベルを超えたエネルギーレベルで、花が持つ全ての癒しの特質がインプットされているのです。
(*)花のエネルギーについては、講師の別の執筆記事花のエネルギーとはをご参照下さい。

花の魂の周波数であるフラワーエッセンスは、私達の魂がこの地上で表現する普遍的な本質的な質、特質と同調しています。私達が本質からのまっすぐな光線とつながり、自分自身のユニークな個性をとおして、それらをこの世界で表現していけるようサポートしてくれるのです。

フラワーエッセンスの歴史

一般的には、フラワーエッセンスといえば、英国の細菌学者であるエドワード・バッチ博士が、1930年代に開発したのが始まりだと思わています。

しかし、実はそれよりもずっと古より、インド、エジプト、ギリシャ、ロシア、ネイティブアメリカン等の世界で、フラワーエッセンスとそれに近い癒しが行われていました。
花を器に浮かべたり、朝露を飲んだり、蒸気を浴びる儀式や健康法は、フラワーエッセンスの一種だと言えるでしょう。
また、ちょっと神秘的な話になりますが、専門家の中には、フラワーエッセンスがアトランティスやレムリアの時代から存在していたという人も少なくありません。

現在もよく使われているバッチ博士開発のバッチフラワーエッセンスは、大恐慌という時代、病を治す医師という彼の立場が大きく反映し、主に感情や心理レベルに働きかける事を得意としています。

バッチ博士以降、90年代前後から、世界中でたくさんのフラワーエッセンスが共時的に開発され始めました。
これらの新しい時代のフラワーエッセンス達は、ヒーリングやセラピーの変化や進化、瞑想や内的成長への欲求の高まりと共に、それに応えるべく誕生したとも言えるでしょう。
その為、セクシャリティの解放、環境や空間の浄化、物質的豊かさと精神的豊かさの統合、インナーチャイルドや前世の癒し、高次元との同調等、現代人の意識やストレスの複雑化、環境汚染、自己実現や霊的成長への乾きにも対応した、今の時代に必要な種類が多く開発されています。

フラワーエッセンスの作り方

フラワーエッセンスは、花のエネルギーを水に転写する事で作られますが、波動転写機等の機械類を使うのではなく、自然界の目に見える力、そして目に見えない力を頂きます。

現在、世界で最も多く採用されている伝統的な転写法は、バッチ博士が開発した「太陽法」です。
自然界の地、水、火、風の四大元素の力を活かした太陽法では、湧き水を満たしたクリスタルボウルに花弁を浮かべ、大地の上で太陽光にさらしてエネルギーを転写させます。
例えば、インドのブッダフィールドフラワーエッセンス、スコットランドのフィンドホーンフラワーエッセンス等は、太陽法で作られています。
また、私が開発したマウントフジフラワーエッセンスのように、独自の方法を採用しているブランドもあります。
いずれにせよ、伝統的方法であれ斬新な方法であれ、形を超えたものを扱うという点では、共通しているでしょうか。

私自身がとても大切にしているのは、フラワーエッセンスを作る過程ではエゴを脇に置き、行い手から退いて、大いなるもの、存在、宇宙にただ委ねるという在り方です。
実際、フラワーエッセンスを作るのは人間ではありません。
ある種の治療で行うような個人的なパワーを加えるといった行為は、フラワーエッセンスにおいては、むしろひとりでに起こる事を邪魔してしまうように感じます。

フラワーエッセンスを作るプロセスに立ち会う事は、私にとって愛であり、瞑想であり、お祝いであり、遊びです。
成し遂げる者、行為者である「私」がいなくなった時、はじめてやって来る「ギフト」なのです。

フラワーエッセンスの体験

花のように穏やかで無理強いせず、副作用がない事から、一般的にフラワーエッセンスファンには、繊細な方、感受性の鋭い方、女性が多いようです。
また、つらい体験をした時や大きな変容を迎えた時に、使用を始める人も少なくありません。

ただし、フラワーエッセンスは、頼る為の「パワーグッズ」ではありません。
フラワーエッセンスには、使用過程を通して、自分自身との向き合い方に理解をもたらしてくれる、気づきの触媒としての役割もあります。

フラワーエッセンスは、心理、感情、行動、肉体に近いレベルから、夢、出来事、環境迄、広範囲の領域で、個々の人にとって最適の変化を促します。
ですから、同じ目的で同じ種類を使用したとしても、個人によって起こる事が違ったり、意識レベルで望んだものではない変化を受け取る事も少なくありません。

変化の例としては、穴ぐらから出たように前向きな気持ちになったり、キレるとモノを壊していた癖がなくなったり。エネルギーが整えられた事で、肉体的な痛みが瞬時にしてなくなる事もあります。
新しい出会いがあったり、情報や職場等、望んでいた何かが得られたりといった出来事も。
自分自身よりも、周囲の人に変化が起こり驚く事もあるでしょう。
また、長く使用していると、五感を超えた領域にとても敏感になります。
気づきが深まり、自分自身を観照出来るようになるのも、フラワーエッセンスの大きな特徴です。私自身、この気づきの深まりは、とても大切だと感じています。

これからの時代のフラワーエッセンスの役割

私達を取り巻く外側の環境、善悪の判断や価値基準等の条件付けは、時代や場所によって大きく変化してきました。
その反面、お釈迦さまの頃より、いつになってもどこに住んでいても、私達の根本的な心の苦しみや問題は、そんなには変わってはいないとも感じます。
怒り、憎しみ、恐れ、悲しみ……こういった感情を、今迄一度も体験した事がないという人はいません。
2500年前の人々も私達も、人間として生まれ、同じような心の状態を経験しながら、幸せになりたいと願っているのです。

フラワーエッセンスは、ほとんど途絶えた時期もあるものの、長い地球の歴史の中で、必要に応じて私達の霊的成長をサポートしてくれました。

今、フラワーエッセンスは世界的に広まっていますが、これからの時代は、「幸せになりたいと願っている心の先にあるもの」を喚起してくれるフラワーエッセンスが必要とされるのではないか、そう私は感じています。
こういった事はあまり公では言っていないのですが、実はその部分に焦点を合わせた時、マウントフジフラワーエッセンスの開発がスタートしました。

〔執筆者:パビットラ(中沢あつ子)〕
フラワーエッセンス開発者、指導家。富士山周辺に咲く花から、日本で最初にマウントフジフラワーエッセンスを開発。日本におけるフラワーエッセンスの先駆的役割を果たし、ハートサポートシステム(有)にて、フラワーエッセンスによるヒーリングやセラピストの育成に努める。日本フラワーエッセンス協会®会長。著書に「マウントフジフラワーエッセンスとエネルギーの世界―花の”Being”―」、「バッチ博士のフラワーエッセンスガイドブック」(フレグランスジャーナル社刊)がある。