大地に届く光は弱まり、
色とりどりの野の花は枯れてしまっても、
またそれとは違った色彩がやって来て、この地上の世界を彩ってくれます。
北から南へと、山から里へと。
次々と、和の国は、燃えるような紅葉に包まれていきます。
天を透かす空の上から、
この細長い国を見下ろしたとしたら、
どんな微妙でリッチな色合いが、描かれていっているのでしょうか。
自然界で起こる、あらゆる内と外の、死と、生と。
私達も、その変化と循環の中にいます。
たとえ何かが枯れたとしても、
その次には、また新しい色がやってきます。
その変化を見下ろすように、
少し距離をもって、あなたという全体を見てみましょう。
鮮やかに輝く、この時期の空のように。
パビットラ(中沢あつ子)