形なきものにも、それを発する前の形はあります。
例えば、花のエネルギーを発する、花という姿。
香や煙を発する、お香という姿。
形から放たれ、空間に拡散し、存在に溶けている、
この世界の形なきものを発する元は、形あるものでした。
そして、形あるものの前には、別の形がありました。
花の前には、種が。
種の前には、別の花が。
形は、形なきものとなり、
形なきものは、別のものの内に入り、
新たな形へと宿ります。
この世界の、あらゆる形あるものが、
他の形あるものを、支えています。
新たな年を迎え、あらゆる形あるものが、
幸せでありますように。
パビットラ(中沢あつ子)